大晦日ということは、2015年も今日限りということです。
私の現状としては、例年休みの初日に行う大掃除をまだやっていません。もしかしたらマツイ棒を振り回しつつ、ありがたい除夜の鐘に耳を澄ましながら、緑のたぬきにデンキポットのお湯を注ぐ事態になるかもしれません。
そして年が明け、仕事始めの日。連絡のつかない私を不審に思った会社の同僚が、私の部屋を訪ねると――そこにはフタをした緑のたぬきと、それを見つめたまま石化した私の姿が――そう、お正月さんの準備を終えることのできなかった私にはお正月さんがやって来てくれず、永久に2015年12月31日23時59分59秒から先に進めなくなってしまったのです。何が起こっているのか理解できず立ちすくむ同僚。冷たく淀んだ空気の中で、私の3分間が凍り付いたまま永遠に終わらない――。
なんて恐ろしいことにならないように早く掃除を始めればよかったわけですが、電撃小説大賞で大賞受賞を狙う私としては、研鑽を積む一環として、投稿機能が先行公開された新しい小説投稿サイト「カクヨム」に登録を行わないわけにはいかなかったのです。