Phantom of Opera
Phantom of Opera

昔、auSkypeを「禁断のアプリ」として大規模にフィーチャーしてましたね。

CMで流れていたLady Gagaの「Poker Face」がとてもかっこよく、当時ガラケーで十分と思っていた私もスマートフォンに多少憧れたような記憶があります。
で、懐かしいなあれから10年ぐらい経つのかな、と思って調べてみたら、2010年のキャンペーンでした。まだ5年しか経ってなかったのか……。

ちなみにLady Gagaの「Poker Face」はこちら。

Skypeと言えば無料通話ですが、これは話したい相手もSkypeをインストールしていればの話で、相手がSkypeをインストールしていなければ無料にならないわけです。実際には、「人によっては禁断」というのが正確なところです。

今回ご紹介するGoogle Chrome用の拡張機能も、人によっては禁断です。ただその性質上あまりにも禁断すぎるので、いくら当ブログがAlexaグローバルランク13763014位のド底辺であっても、取り上げるのはのかもしれません。

でも世の中には、「なぜ危ない橋を渡ろうとするのですか?」と問われて「そこに危ない橋があるから!」とはしゃいで答えるような私のような人がいるのも事実で、今回はそういう人向けの記事です。

というわけで、何かあっても責任取れません。以下、自己責任でどうぞ。

なぜかひっそりと公開されていたChrome用拡張「データセーバー」

今年の春のことです。Chrome ウェブストアにて、Chromeの拡張アドオンである「データセーバー(ベータ版)」なるものが公開されました。
この拡張、「データの転送量を減らす」ことができます。

まだベータ版らしいけどインストールしてみた。
まだベータ版らしいけどインストールしてみた。

モバイルな人達は、一定の転送量を超えると(事実上)来月までマトモに使えなくなってしまう

スマートフォンでは、「月内に一定の転送量を超えると切ないレベルで接続速度が下がってしまう」制限のあるケースがほとんどです。なので、転送量は少しでも少ない方がいいわけです。

Google社もそれを見越していたのか、スマートフォン用のChromeには、いつの間にか「データセーバー」が標準で組み込まれていました。
それが今年の春、PC用Chromeの拡張としても提供され始めた、ということなんですね。

少し特殊な方面の話をすると、昨今の「艦これ」ブームで、Windowsタブレットを屋外で使っている人も多いそうです。艦これそのものはスターバックスとかのWi-Fiで足組みながらシャレオツにキメるのでしょうが、それだけではもったいない、一応格安のSIMカードを突っ込んでWi-Fiなしでもネットできるようにしとこう、という人もいるかもしれず、そういう人にはかなり恩恵のある話だと言えます。

「データセーバー」のしくみ

しくみについては、Googleのヘルプページで簡単に解説されています。
要するに、「ページの表示がちょっぴり遅くなるかわりに、ダウンロードしやすいサイズにデータ転送量を圧縮してる」ということのようです。
つまり、ページの表示自体は遅くなっちゃうんですね。

Operaを使っている・使っていた人ならご存知かもしれませんが、要するにこれは「Opera Turbo」のChrome版です。
以前書いたKinzaに関するブログ記事で「『Kinza Turbo』的なもの出ないかな」とか書いたけどその時点で既に公開されてたっぽい)(どうして気づかなかったんだろう)(まあいいか)

むしろページの表示が早くなるケースもある?

さて、前述のOpera Turboの説明ページにはこんなことが書いてあります。

ノートパソコン使用時にターボモードに切り替えて、カフェでの遅い接続をスピードアップしたり、Wi-Fi が混雑している場合にページの読み込み速度を改善できます。

これ、要するに、「接続が遅い場合はむしろページの表示速度が上がる」という意味じゃないでしょうか。
低価格(で低速な)SIMでネット接続している人、無線LANを利用している人、光回線を知らずに育った田舎者……そういったハンディキャップを負った我々は、低速でインターネットせざるを得ないのです。そんな我々にとってデータセーバーは、転送量も減ってページの表示も早くなる、まさに禁断の拡張機能になってくれるかもしれません。

実際に試す

さて、それでは実際に低速回線で試してみることにします。
都合がいいことに、私は田舎者であり、接続環境はしっかり低速です。きっといいデータがとれるはず。

重要なのは、どのサイトで試すか――ここはある程度、わざと表示が遅いサイトをチョイスしておいて、数値に示される効果が分かりやすいようにしたいところです。
フツーに考えて、画像がいっぱいあるサイトが重くていいに決まっています。とはいえ、いわゆる「まとめサイト」では広告が表示され、読み込むたびにページのデータ容量が変わってしまうのでテストページとして適切ではありません。また個人サイトで何度もキャッシュを無視してリロードすると色々迷惑がかかるので、大手の企業の公式サイトがよいでしょう。

画像が無駄にたくさん使われてるサイトで、広告がなくて、何度もリロードしても良心の呵責かしゃくのないサイト……うーんそんなのあったっけなー……あっ、そうだ。

アップルさん家でグーグル製品のベンチマークをするという最高にクールな実験

アップル。

スティーブ・ジョブズが亡くなったのが2011年の10月なので、もう4年が経つんですね。
アフタージョブズのアップルと言って記憶に新しいのは、ポートが1つしかないMacBookが爆誕したことでしょうか。ポートをゼロにする案まであったということで、デザインって何なんだろうと思わずにはいられませんでした。そのうち「紙でよくね?」とか言ってくれるんじゃないかとわくわくしています。iPaper。サイズはA4。色はホワイト。

まあ要するに外付けHDDじゃなくてクラウドでよくね? ということでしょうが、これはつまり低速回線を使わざるを得ない田舎者にとっては死ねと言われてるようなものです。これは田舎者として黙っているわけにはいきません。高速回線ユーザー御用達だと言わんばかりに重い画像満載のアップルの公式サイトでページ読み込み速度の実験をしてやり、暗にサイトの重さを全世界に発信してクック船長を糾弾してやろうということなのです。余談終わり。

で、調べる方法としては、

  1. Chromeに拡張機能「データセーバー(ベータ版)」をインストール
  2. 調べるページを一度開いて、F12キーを押して「Developer Tools」を表示
  3. Ctrl+F5でキャッシュを無視してページをリロード
  4. ページの読み込みが終わったら「Load」(読み込み時間)部分のチェック
  5. 3回やって平均値を取る

という感じ。
「Developer Tools」はChromeに標準でついている開発者用ツールで、ページの読み込み時間を自動で表示してくれたりします。左手でCtrl+F5を押し、右手でスマートフォンのストップウォッチのボタンを押すというピアニストばりの妙技を炸裂させなくってもいいんですね。よかった。

トップページで試す

それでは早速トップページで試してみましょう。

クリスマス商戦! おめでたいですね!
クリスマス商戦! おめでたいですね!

大きめのスライドがいくつがありますが、これはもしかしたらページ読み込み時に一緒にロードしてるのではなく、Ajaxというやつかもしれません。調べてないのでわからないけど。

オフ:8.73s 8.43s 8.53s → 平均 8.56s
オン:6.39s 6.53s 6.59s → 平均 6.50s

いきなり約2秒短縮されました。約1.3倍速。体感的にも早い気がしました。
これだけなら偶然という可能性もあるので、他のページでチェックを続行。

Macのページ

続いてMacのページです。

ノートパソコンで見るとこんな感じ
ノートパソコンで見るとこんな感じ

でかいiMacの写真がページの上部に鎮座しています。いやぁ、スクロールしないと足が見えなかったので、でかい画面が空中に浮かんでるタイプかと思ってしまいました。
トップページより商品画像が多く、ページ自体もトップの10倍ぐらい縦に長いです。さてどうなるでしょう。

オフ:13.62s 14.94s 13.24s → 平均 13.93s
オン:09.83s 09.01s 09.09s → 平均 09.31s

約4秒~4.5秒短縮されました。約1.4倍速。
ぼーっとしててもあれ、早くね? と思うぐらいには早いです。

他のページでも計ってみましたが、いずれも割と素敵なスコアを叩き出してくれました。
画面のスクリーンショットが面倒なので以下ダイジェスト。

iPadのページ

オフ:15.84s 15.13s 14.80s → 平均 15.25s
オン:07.24s 06.35s 06.30s → 平均 06.63s

約2.3倍速。

Apple watchのページ

オフ:31.90s 32.37s 29.84s → 平均:31.37s
オン:11.41s 09.69s 10.59s → 平均:10.56s

約3倍速。

Apple TVのページ

オフ:35.25s 35.97s 32.76s → 平均:34.66s
オン:08.49s 09.00s 08.18s → 平均:08.55s

約4倍速。
35秒はぶっちゃけ耐えがたいですが、9秒未満ならまあまあ重いページだな、というレベルで我慢できますね!

実験結果まとめ

減った転送量はボタンをクリックして確認可能
減った転送量はボタンをクリックして確認可能

「どのページでも大抵早くなる」「最大約4倍速くなる」、という冷静に考えると頭おかしい結果が出たわけですが、私の接続環境の速度とデータセーバーの機能が丁度いい具合にベストマッチしたのかもしれません。実際に試してみてあまりいい結果が出なくても怒らないでね。

傾向としては、「大きい画像が使われているほど早くなる」ような感じがしました。なので、pixivとか、画像のまとめサイトとか見る時はかなり有効かもしれません(ただしOpera Turboと同じく、画像が劣化するケースもあるようなので注意)。

デメリット、というか注意すべき点

実力的には有能なヤツだ、と認定したところですが、残念な点もいくつかあります。
現在ベータ版だと言うことですが、これらはおそらく正式版になっても変わらないと思われます。受忍しましょう。

Kinza等、Chrome以外のChromium系では動かない(?)

Google Chromeと同じChromiumエンジンを使っている「Kinza」や「Vivaldi」にもインストールすることはできますが、オンにしても転送量が減っている感じがありません。多分動いていないんじゃないかなーと思います。

KinzaとVivaldiの場合はこんな感じ
KinzaとVivaldiの場合はこんな感じ

Operaにもインストールしてみましたが、ボタンをクリックするとこんな感じのエラーが出ます。動いてるのか動いてないのかわかんないよりもこっちの方がある意味親切かもしれない。
というかOperaユーザーは大人しくOpera Turboを使いましょう、ということか。

Operaにインストールした場合。親切なところは今でも好きよ。
Operaにインストールした場合。親切なところは今でも好きよ。

勝手な想像ですが、技術的制約というよりも、Chromium系全部で使えるように開放しちゃうとトラフィック的にマズい、ということなのかもしれません。

海外サーバーを通してアクセスすることになるので、海外IPを弾くページなどにアクセスできないことがある

意外とよくあるのが、レンタルサーバーが、海外IPからWordPressの管理画面へのアクセスをブロックしているというパターン。そういえばこんなことありましたね
まあ適宜データセーバーをオフにするか、自己責任でレンタルサーバーの管理画面からアクセスブロックを解除してやればいいだけですね。

最後に

低速回線の人にとっては非常に効果のある、禁断のChrome拡張「データセーバー」の紹介でした。
まあ私は普段Mozilla Firefoxを使ってるので、恩恵に与ることは無いんですけどね。

こうなればいやが上にも「Firefox Turbo」爆誕への期待が高まります。
世界の低速回線の田舎者がMozilla Firefoxに熱い視線を送っていることと思うのですが、Mozillaの中の人、いかがでしょう?

そうだ、言い忘れてたけど

「データセーバー」がオンになっているとき、自分の表示したページは全てGoogleのサーバーにダウンロードして保存されている、というのだけは了解しておくべきでしょう。

先のOpera TurboのページのFAQには、こう書いてありました。

プライベートなデータはどのように取り扱われますか?
(中略)
サービス改善を目的として、IP アドレス、ユーザーエージェント、アクセスしたページのアドレスやタイムスタンプなどの一部の情報が Opera のサーバーにより記録されます。これらの情報は最長 6 か月間、サーバー上で保持されます。

なるほど。ということは、おそらくGoogleも、私のIPと私の見たページの履歴くらいは記録しているってことだよね、仕方ないか……ところでGmailは本文の内容をスキャンしてるって書いてるサイトがあったな……ということはIPと履歴の記録だけじゃなくて、表示したページのデータそのものを私のIPに紐付けて保管しておけば同じ事ができるのかも……他のChromium系ブラウザーで使えないってことは、Google社以外はわけだし……あれれ、もしかしたらこのデータセーバーってガチで禁断の拡張機能なのかもしれない……おや? 誰か来たようだ。

以下略。

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