先月の話ですが、ついにFirefoxがルビに対応して、モダンブラウザーでルビが表示できないブラウザーがなくなりましたね。もう苦しむことはない、ルビを表示するためのタグを書けばそれだけでルビが表示されるのです。アラブの春というのがありましたがこれはまさに「ルビタグの春」と呼んでいいでしょう。語呂なんて気にしない。

そんなルビタグの春が来たにもかかわらず日本は静かです。おかしいよ。世間のこの盛り上がりのなさっぷりはどうしてなの。日本語圏のユーザーにとってルビが表示できるようになったというのは1993年にMosaicが「ブラウザーで画像が表示できるようになったよ。これで画像が見られるね。よかったね」と登場してアメリカンのギークどもが「これでやっとインターネット上でレナたんを表示できるでござる」と小躍りしたあの時の喜びは21世紀にはないのか。歴史的出来事だと思うんだけどなぜ盛り上がってないの。ていうか割と本気で思うんだけど、少なくともテキスト創作界隈ではこの出来事は盛り上がるべき事象だと思ってるんだけどなんでなの。なんでなの。

まあこれでルビ表示できないのは古いAndroidぐらいのものになったので積極的にrubyタグ使っていけるかなと言う感じですね。

ルビのある行の行間について

ただルビを設定してる行って、他の行と比べて上の行との間隔がどうしても開いてしまうんですよね。でこれの対処法というのは、CSSで行の高さをline-height: 2みたいに広めにとってやらないといけない、と。
じゃあ一般の本の行間ってどうなんだろう、と思って近くにあった文庫本の行間を見てみたら、line-heightでいうところの1.8くらいだろうか。1行分より少し狭いぐらい。

ま、ルビと行間設定のベストなやり方については別の機会に検証して記事に書くとして、とにかくFirefoxさんには対応ありがとうと同時に、ルビ対応プラグインを公開してくれていた開発者さんに感謝(わたしはHTML Ruby使ってました。長い間ありがとうございました)。

余談。ネット小説はなぜ行間を開けまくるのか

でまあルビとは関係ないけどさ。行間で思い出したんだけど。

かつてはいわゆる「ケータイ小説」もそうだったと思うんですが、ネット小説ってなんかえらい頻繁に文章を段落分けしてるじゃないですか。

 深夜のバス停で、ぼくは先程紀伊國屋きのくにや書店で購入したばかりの「浦木うらき智香ともかは空を飛ぶ」を読んでいた。きみもライトノベル好きなら知っているだろうが、浦木智香シリーズは現在六巻までが出版されており、今この掌の上にあるのがまさにその最新刊である。

 いやあ、並んだ。しかし待ち時間が三十分で済んだのは幸運だった。スマートフォンで匿名掲示板に張り付き続け、事前情報リークを得ていたのが功を奏した。しかしその情報の出所でどころが、浦木智香に批判的な人間の集うアンチスレッドだった、というのは皮肉なものだ。

 アンチスレッドでは、先頃アニメ化されたその内容について、凄まじい非難と罵倒の応酬が繰り広げられていた。詳しい状況は調べてもらえればわかるだろうが、どうにもさみしい奴らである。もっともぼくも、アニメの内容にだけはやや批判的な意見を持っていた。キャラの持つポテンシャルが活きてなかった。

て感じで、それって普通はただ改行するだけにとどめるよね……? というところで開けるんですよ。
あと会話とか独り言の前後も一行開けちゃう。

 ぼくは改めて、「空を飛ぶ」の表紙を見返した。青い空。きらめく白い雲。鮮やかな向日葵ひまわり畑。竜の羽を持つ奇妙な生物に跨る制服ブレザーのヒロイン――十一月の灰色の寒空の下で、こんな原色的カラフルな物語を読めというのだ。なんというファンサービスだろう。

「今やこの国で、書店に行列を作れるのは、村上春樹の本と浦木智香シリーズぐらいのものだ」

アンチスレッドではなく、メインスレッドの方で、匿名の誰かがそう書いていた。ぼくもまさにそう思っていたので、思わず匿名モードで「これな、これ」とレスポンスを返してしまった。前作の「浦木智香は拳で語る」は、で購入せずに読んでしまったため、未所有だ。惜しいことをした。そのうち購入コンプリートしとかないとな………。

「あ」

イントロダクションを読み終わったところで、ぼくはあることに気づいた。こんな深夜にバス停に突っ立っていても、もうバスは来ないのではないか?
あぶない。ぼくは自分の間抜け具合が可笑しかった。もし気付かずにそのままバスを待っていたら、ふけるどころか、けるところだった。

て感じですよ。重要でない発話はインラインなんですけどね。
あ、ルビ入れまくりなのはわざとです。あと最後は駄洒落です。

こういうのって、なんとなくそうしてるというより、より具体的に言えば「そのままだと行間が詰まってて読みにくいからそういう方向に進化した」んじゃないかなーと思います。
でもそうなると、今度通常一行開けてるだけでは何となく狭いような気がして。三行とか四行とか開けるようになってしまって、空行がハイパーインフレ起こしちゃうんですよね。
これ、有名人のブログとかでも同じ現象が起こってますよね。なんか一行書く毎に行間が一行開いてるブログ。中には一行どころか三行も四行も開けてたり。きっと不安なんでしょうね。かわいそう。

しかもこういうのって、何かに影響を受けて行間を開けずに普通に書いたりすると、コメント欄の有象無象どもから「なんでつめて書いてるんですか? 文章が超よみにくいのでよくわからなかった間と間を開けてください>< 文章へたwwwふふ」みたいなよくわからんディスりを受けて、結局今まで通り三行も四行も開けて書き続けることになるんですよね。まあ客なんですから仕方ないですね。

でもこんなに行間を開けてちゃ、我々が1行分の空行で文章のまとまりを表現するような場合、つまり改行ならぬ改段落したい場合にどうするんだろう? 十行とか開けるのか? というと割とマジにそうやってるみたいなんですが、まあいざとなったら「ページで分けちゃう」という手もあるわけですね。だからあんまり困らないと。余談終わり。

ルビ実装の先達、IE(Windows Internet Explorer)に感謝

みんな普段「IE叩けば丸く収まる」的な感じでIEのことディスってますけどね、ルビとか縦書きとか、我先にと対応してくれたのは他ならぬIEなわけですよ。
まあそれと、HTMLやCSSの仕様準拠が甘いとかで批判されるのとは別の話だっていうことでしょうし実際それはそうかもしれませんど、今までIEがWebとか他のブラウザーとかにもたらしてくれた良い影響のことを思うと、私は「IE滅べ」どころか「IEに感謝」レベルなんですけどね。だってIEがルビにも縦書きにも対応してなかったら、それらの使用者はごくわずかだったでしょう。声を上げるユーザーもわずかで、他ブラウザーの対応はもっともっと遅れていた事でしょう。今はもう亡いblinkタグみたいに、「HTMLタグじゃなくてよくね?」て感じで消滅してたかもしれない。

ねえ思い出して。みんなあの頃は自分のサイトにIE6独自仕様のCSSのフィルターとかガンガン使って、Netscape Navigator4とか広告バナー付きOperaとかでは表示確認もしてないくせにトップページに「IE以外では見れません This Site is IE Only.」とか書いていたじゃない! あの頃のピュアな気持ちを思い出して……。

というわけで、まあ少なくともルビ(と縦書き)については、本当にIEに感謝しつつ、今はルビタグの春を喜びたいと思います。はい。

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