お金は「みんながお金と認識してる」というのが大前提なわけですが

今は製造されていないけど、製造されているお金と同じように使うことができる日本銀行券のことを俗に「旧札」といいます。
この季節に「旧札」絡みの話となると、よく披露されるのが

1.コミックマーケットで旧千円札を手渡されたピッチピチの売り子さんが『偽札』だとはしゃいでiPhoneで激撮、ツイッターにアップロード
2.親しい人が「それは偽札ではないヨ」と助言する
3.知らない人がやってきて、新人類!新人類が発掘された!と言わんばかりにリツイートされる
4.トレンド入りを果たし、トゥなんとかにまとめられて『べらんめえ、教養のねえバカッターめ』『てやんでえ、見たことねえなら仕方がねえ、教養ねえとか言うんじゃねえ』といったコメントが大量に付く
5.ツイート主がなぜか謝罪する
6.解散

というネタであり、コミケ参加者ならずともグッとくる風物詩です。今年もあるのかな。

ところで旧札旧札と言いますが、実際どれだけ古いお札までが使用可能なのでしょうか?
イメージとしてはまあ百円札までじゃね? とあやふやだったのですが、何となく気になったので調べてみました。

おばあちゃん、一万円分を百円札の束(100枚)で決済する荒業を披露

旧札の話題を今更書いているのは他でもなく、最近福岡で「百円札」の札束で一万円を支払うというテクニックを披露したおばあちゃんがいたそうです。
おばあちゃんあんまりムチャしたらアカンで……。

 福岡市のカイロプラクティック院で、治療に訪れた60代の女性が「百円札」の札束で治療費を支払った。現在は発行されていないが、今でも有効だ。

 百円札には、明治の元勲で自由民権運動を全国に広めた板垣退助が描かれている。1970年代まで流通していたが、今はほとんど見かけない。

「百円札」札束で治療費支払う 発行なくても今でも有効

想像するに面白いのはおばあちゃんがバッグから紙の帯に巻かれた札束を取り出した瞬間の空気ですよ。おばあちゃんやるじゃん。

どのお札がまだ使えるのか?

じゃあ2015年秋の現在、実際どのお札が使えるのかというと、日本銀行のウェブサイトで図入りの説明がなされており、

もう作られていないけどまだ使えるお札

一万円券/五千円券/千円券/五百円券/百円券/五十円券/十円券/五円券/一円券

引用「その他有効な銀行券・貨幣 :日本銀行 Bank of Japan」より

ということだそうです。

1世代前の一万円札、五千円札、千円札はほとんどの人が知ってるでしょう……と言いたいところなのですが、新しいデザインになったのは11年前、つまり現在の高校一年生が小学校一年生か幼稚園くらいの頃の話なので、高校生のコミケ参加者は旧札に見覚えがない、というのも現実味がある話です。
それ未満の額面のお札に関しては私も「お、おう、まあ使えるのかもな」ぐらいの意識しかありません。こんなん差し出されたらウチらどうすればいいの……。

もう作られていないけどまだ使える硬貨

しかも紙幣だけでなく、貨幣も同じように「今は造られてないけど普通に使える」というのがあります。

500円白銅貨幣/100円銀貨幣/50円ニッケル貨幣/10円青銅貨幣/5円黄銅貨幣

引用同上

「500円白銅貨幣」というのは、リニューアル前の黄ばんでないやつですね。非常に特徴的だったのが、コインの側面(幅1.5mmくらいの領域ですが)に文字がぐるっと刻まれていた点です。他の貨幣と比べ尋常でないプレミア感があり、幼い頃の私はむしろ千円札よりこっちの方が上なんじゃないかと思っていました。上って何だ。
「10円青銅貨幣」自体は今も作られていますが、上に述べてあるのはいわゆるギザじゅうと呼ばれるタイプのものです。私も何枚か持ってましたが、新品同然でないと大した価値はない、と聞き及んで以降、気にしなくなってしまいました。お酢でピカピカにしても模様とかエッジが潰れちゃってるのはどうしようもなく。
「100円銀貨幣」「50円ニッケル貨幣」「(穴のない)5円黄銅貨幣」は生で見たことないです。これは差し出されると直感的に(よくわからんのきた-!)と思うことうけあいです。年号とかは書いてあるけど……。

会計係の人とか、こういうお金出されたら実際どうするんだろう?
受け取っちゃうの?

百円札以下は使用禁止にできないの?

こういうのって何食わぬ顔で出されると
1.知らないのに「私知ってます」と言わんばかりに受け取る
2.「俺は知らねえんだ」と貫き通して断固拒否する
のどちらかしかなく、どちらにしても受け取る側の精神衛生上良くありません。
なので、既に貨幣になっているお札、つまり五百円札以下は廃止にしていいだろ、と思うじゃないですか。
そう思ってたら、Yahoo!知恵袋の回答にこんな見解が。

できないらしい

<konchan_kobukuroさん 2005/12/1622:22:26>
やはり全ての旧札を回収し,廃棄するのが不可能に近いからでは無いでしょうか。
また,「昭和元年以前に発行された紙幣は来年4月1日から使用不可とする」などとすると,それを持っている人の財産を国が勝手に処分する(使えなくする)ことになりますし,問題があるでしょう。

『旧札を今でも店で使えるのはなぜですか?』

なるほど、確かにその通りですね。そりゃそうだ。

でもそれなら、「いついつからは店側は旧札を受け取るの禁止、使う側は必ず銀行で新しいお金に両替すること」とかいう風にはできないのかな。それならジェネレーションギャップによる問題も減るし。
と思ったけど、「両替しないと財産として無効になっちゃう」というのはやっぱりマズいのか。うーん。

おわりに

というわけで結論としては、百円札はもちろん、一円札でさえまだまだ使用可能だということです。

一般的な人が「使える旧札」「使えないお札」「偽札」「おもちゃのお金」を見分けるのは困難であり、これではスーパーやコンビニでレジ係をやってる人が「見たことがないお金を当然の如く差し出される」という恐怖から逃れることができません。困ったなぁ。

ちなみにですが

件の百円札の束に関してですが、欲しい人によっては18,500円を出してでも欲しいものらしいです。
そんな貴重なコンテンツと話題を提供してくれたおばあちゃんに感謝。長生きしてね。

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